歌いに行った先で、”音楽って素敵だなぁ〜”と思う出来事がありました。
あるご夫婦のお話し。
歌っている最中にも、何度も席を立って旦那様の元へ行く奥様がいました。
旦那様が持つ歌集のページを開き、『次はここを歌うのよ』とジェスチャーで教えていました。
旦那様は返事をする事もなければ、表情一つ変えることなく歌集を見つめています。
もしかしたら耳が不自由なのかもしれないし、認知症なのかもしれない。
どんな理由があるかは分からないけれど、その方に私の声が(懐かしい曲が)届けば良いなぁと、いつもよりほんの少し声を大きくして歌いました。
終盤アコーディオンで『青い山脈』を弾いて歌うと、地域の方々が踊りだします。
それぞれが自由に踊る姿に、笑い声が聞こえて温かい笑顔が見られます。
すると先程の旦那様がゆっくり立ち上がり、覚束無い足取りで踊りだしました。(すぐさま社協の職員さん達がその方の後ろにまわって見守ります)
私もアコーディオンの音が聞こえているんだと嬉しくなって、その方に近寄って演奏しました。
すると満面の笑みでゆっくり、でも上手に踊っていました。
旦那様を見た奥様はすぐさま駆け寄り、『お父さん、久しぶりに踊ったね！楽しいね！楽しいね！』と大粒の涙を流しながら話しかけます。
奥様の、『楽しいね！楽しいね！今日はとっても楽しいね！』という涙声と笑顔に、私たちももらい泣き。
青い山脈を弾き終えた後は、お席に戻り何事も無かったかのように無表情で座る旦那様。
それを見ていた周りの人達は、『何年ぶりに○○さんの笑顔を見たかな』『今日楽しいんだね！嬉しいさー』『耳、聞こえてたんだね！』と優しい表情で話し始めます。
それを聞いていた奥様が、『皆さん、いつもありがとうございます』と泣きながら言いました。
家でもずっと座りっぱなし、動かず喋らず何もせず、ただぼーっとしているだけの夫を 外に出さなければいけない！と心配した奥様が旦那様を連れて来ていたそう。
しかしここ最近は、地域の集まりでもめっきり動かなくなって、話もせず表情さえ変えなくなってしまった…と。
『そんな夫を連れてきていいのか…もう連れて行くのはやめようか…』と悩んでいたそうなのです。
『でも、今日の笑顔を見て夫にもちゃんと伝わっていたんだ！まだ楽しいって感じられるんだ！』と感動したそう。
そんな奥様の涙につられて、皆涙ぐんでいました。
そして、『音楽の力ってすごいねー！』と笑い合っていました。
最後、三線でのカチャーシーにも自ら進んで踊りだし、満面の笑顔を見せてくださった旦那様。(そしてやっぱり年季の入ったカチャーシーはとてもお上手でした✨)
何度も奥様や地域の方々に『ありがとう』とお声をかけて頂き、それが嬉しくて、”何があっても歌い続けよう！”と私の力になりました。
帰り際、『今日はお昼ご飯が余っちゃったから食べていかない？』と声をかけて頂き、ちゃっかり食べてきましたー😆🫶
地域の方々から、『一緒に食事して色んな話しをして、本当の家族になれたみたいで嬉しいさー』と声をかけて頂き、とても嬉しかったです😭💕
別の方からは、『山原さん、ラジオでよく麺が好きって言うでしょう？今日は沖縄そばだから、一緒に食べてくれるかなって思ったのよ』と。😭
そんな事まで考えてくださっていたなんて…感謝感激😭🫶
優しくて愛が溢れる地域でした。
そんな素敵な皆様と素敵な時間を過ごせた事に感謝です。
そして、旦那様の面倒を見ているという先程の奥様にも、安心できる時間や笑顔になれる瞬間が、たくさんありますうに。🙏
皆で食べた沖縄そばは、一人で食べるより、うんと美味しかった♡
ありがとうございました🙇🏻♀️
そして、いつも調整してくださるスタッフの皆様に感謝です🙇🏻♀️
山原麗華
